私が居ない未来

未来「今まで、本当に楽しかったし幸せな気持ちにさせてもらえたんだよ」
と、彼は優しい声で言います。
彼は何時もそうでした。
何時だって優しいのです。
しかし、その時の優しさはただの「残酷さ」でしか無いと思いながら彼の言葉を聞いていました。

彼と別れの時がもう目の前にやってきていました。

彼との交際はとても落ち着いたものでしたし
2人の間に別れるだなんていう選択肢があるとは思っていませんでした。

実際に、彼に別れを切り出されるまでそんなこと考えても居ませんでしたし。
しかし、彼は前から別れることを考えていたようでした。

彼は言います。
「あくまで自分勝手な話だから、君を傷つけてしまうのは本当に申し訳ない」と。
「君に何か不満があるわけでも悪い事をされたわけでもない」と。
理由が不明朗なほどに私は悲しくなりました。
そんな時に、精一杯の優しさを見せられても惨めな気持ちになるばかりでした。

彼と別れてからというものの、私には明日が来ないのではないかというくらいでした。
実質的に時間は進んでいるのですが、それを体感することが出来なかったのです。
彼の未来に・明日に私が存在しないことを認めたくなかったのかもしれませんね。

今でも思い出せば何となくモヤモヤが広がりますが
これも1つの終わりの形なのかもしれません。